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中遠昔ばなし

第107話   (ひめだいく)
姫大工(磐田市)

姫大工(磐田市)

 桐屋の八木格次郎は、旗本のお姫様を女房にもらい本当に幸せ者だ、「姫大工」だと人々に祝福されましたので、桐屋の姫大工の話は、今もずっと語り継がれています。
 中泉村(磐田市西町)に桐屋といわれる家がありましたが、当主の八木格次郎は、非常に腕の良い大工でした。近在は勿論、頼まれて武家屋敷の仕事もしていました。あるとき、近藤登之助(こんどうのぼりのすけ)という大きな武家屋敷の仕事をしたときのことでした。格次郎の仕事ぶりや、男っぷりに、近藤家の娘が一目ぼれしてしまいました。
 若い二人は、やがてお互いに好意を持ち始め、次第に恋し合うようになっていきました。
 この当時としては、武家と大工では、家柄や風格からいっても到底つり合わないからという理由で、会うことさえ親の許しがでないことが普通でしたから、若い二人は、お互いの身の上を悲しんでいました。
 ある日、八木格次郎はお手のものの大工の腕をふるって、縁の下からもぐり込んで床を抜いて、娘の部屋へ入り密会することができました。こんなことがあって、格次郎の熱意が殿様に通ずることになり、殿様もやがて二人の心を汲んで、その仲を許されることになりました。
 そして、格次郎の熱意が実って、近藤登之助の娘と夫婦(めおと)になることができました。このことがあってから、人々は格次郎のことを「姫大工」と呼ぶようになり、格次郎夫婦が仲よく生活したことは勿論ですが、桐屋も代々栄えたと言います。

(「磐田むかしばなし」より)

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