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第103話 | (ほおずきいけ) ほおずき池(袋井市) |
市内でも最も北にあたる宇刈地区の大日の奥には池が二つあって上池、下池といわれています。 その下池をだれ言うことなく「ほおずき池」と呼んでいます。 池のまわりは、昔は深い山で木が生い茂り、北側の高い所では、北は森町が、南は遠く大平洋までも望む事が出来る所です。 その近くには「天狗の遊び場」という所があって草や木が生えなくていつもきれいな場所がありました。 この下池の中央には、直径十数メートルの島があります。 ある日この島の傍に大変きれいなほおずきが、赤く実っているのをちょうど通りがかった村人が見つけました。 「オヤ!珍しい!ホオズキだ」 と池に入って取ろうとしたその時です。大蛇がカッ!と大口をあけて襲いかかってきたのです。 池に入って取ろうとしたのは、赤いほおずきではなく大蛇の目だったのです。 びっくり仰天して、命からがら青くなって逃げて来た村人は、その様子を家の人や村人達に話して聞かせました。 それが村中に伝わりその後、この池を「ほおずき池」と呼ぶようになったという事です。 この大蛇は池の奥の谷間に住んでいて、時折この池に出て来て飼を食べていたとか。大蛇は直径十数メートルもある島をとりまいていたというのですからその大きさは言うまでもありません。 その後安政五年(一八五八)の集中豪雨で堤防が決壊した時、この池の大蛇は大洪水と共に海へ押し流されたのか。それ以来、池には姿を現わさなかったと言われています。 (「袋井に伝わる昔話」より) |
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