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第86話 | (かいがんのぶつぞう) 海岸の仏像(磐田市) |
磐田市の海岸地帯、竜洋地区の駒場に、「福寿山慈慶庵(ふくじゅさんじけいあん)」という、曹洞宗の寺がある。本尊にまつっているのは、阿弥陀如来(あみだにょらい)であるが、この如来仏(にょらいぶつ)については、珍しい伝説がひめられている。 大永六年(1526)の事である。この駒場に住む漁師が、ある朝早く海岸に出てみると、何か変わった物が打ち上げられている。 「何だろうか」近よって見ると、それは尊い、阿弥陀如来の木像ではないか。 「おお、これはもったいない」 漁師は、如来の木像を大切に持って来たが、 「家に置いては、罰があたるといけないから」 と、村人にも相談のうえ、小さなお堂を作って、それを入れてまつった。これがこの慈慶庵の始まりという。 また、一説には、浜松城の北、犀ケ崖(さいががけ)に武田の亡霊(ぼうれい)が現れ、大念仏を行っても静まらなかったとき、この阿弥陀如来を奉持(ほうじ)して行って供養すると、たちまち成仏して、その後は現れなかったとも言う。 (「続々遠州伝説集」より) |
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