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第28話 | (くびなしじぞう) 首なし地蔵(福田町) |
江戸時代の末期、福田のある百姓が家の近くの荒地を開墾していたところ、くわにあたるものがあるので掘ってみると死後数年を経過しているだろうか、すでに白骨と化した大人の死体が出てきた。驚いたことにその死骸には、首がなかったのである。 いつ、どこで、どんな理由で首を切られて、こんな所へ埋められたのか、また、どこの何という人かも全くわからなかった。 一時はびっくりした百姓も、大変哀れに思い、死骸を手厚く葬ってその冥福を祈ると共に、そこに地蔵さまを建てておまつりをした。このため、誰言うことなく首なし地蔵と呼ぶようになった。 それから、百姓は熱心にお参りをするうちに、願い事をよく聞いて下さることが判ってきた。この事が自然に伝わって近隣の人々も自分の願いや悩みを救ってもらうために、お参りをするようになった。 特にお腹の病気にご利益があったことから、念願が叶った時はお礼として、地蔵さまの腹掛けを作ってあげたので、今では奉納した腹掛けが一杯になっているそうである。 本当に霊験あらたかなお地蔵様として、周囲の人や近隣の人たちから大変有難がられているということである。 ※現在、観音寺南側50メートルのところにある。 (「年中行事と昔ばなし」より) |
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