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第2話 | (さんどくり) 三度栗(袋井市) |
1本の木から、8月、10月、12月と、1年に3回も実がなるという不思議な栗の木が袋井市の大谷という山の中にあります。 約400百年前の戦国時代。浜松城の徳川家康は、甲斐の武田信玄と激しい攻防を繰り返していました。しかし、戦上手の信玄の前に、若い家康は苦戦の連続。三方原の合戦で大負けしたばかりのある日、家康は、家来とともに大谷の山の中を歩いていました。 昼飯どき、木の根に腰掛けて弁当を開くと、家康の弁当に箸が入っていません。「おい、箸がないぞ」家来は、慌てて近くの栗の枝を2本折って差し出しました。 食べ終わると家康は、栗の箸をぐっと地面にさして、「芽が出よ。おれが天下を取ったら1年に3度実をつけよ」と言って笑いました。 箸からは言う通りに芽が出て、家康が江戸幕府を開くと、箸から芽の出たこの栗の木は、1年に3度ずつ実がなるようになったということです。 (遠州伝説研究協会発行「静岡県のたのしい民話」より) |
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